Humty Dumpty




*完全R−18パラレル話です。
過激な性描写を含みますので、苦手な方はブラウザバックをお願いします。








 セシルには、王宮に来る以前の記憶がない。物心ついた時には既に皇帝のペットとして飼われていた。そもそも知っていることと言えば、自分の名前と、セックスの仕方ぐらいだ。本来なら卑しい身分のお前が処分されず生かされているのはひとえに皇帝のご厚意のお陰なのだと毎日のように聞かされて育ったから、セシルにとって皇帝の存在は唯一であり、全てであった。
「ふん……そろそろ飽きてたな。おい、新しい者に代えろ」
 それはあまりに突然だった。言葉を多く知らないセシルにも、皇帝が何を言わんとしているかは理解できた。お願いします、僕を捨てないで、と裸のまま彼の腕にすがりついた。皇帝はまるで害虫を見るかのような冷たい目でセシルを見やり、振り払って言った。一度飽きた玩具に用はない、と。
 王宮に連れて来られた時、セシルは幼い子供だった。男女の区別がつかない未熟な体は、その日から皇帝の所有物となる。しかし快楽を知るにはあまりに早過ぎたのか、初めは苦痛で仕方なかった。ただ痛くて、気持ち悪くて、恐ろしかった。毎晩、寝所に連れて行かれる度に泣きわめき、無茶苦茶に暴れた。そんなセシルを見て、皇帝は笑っていた。多少暴れ馬の方が、調教のし甲斐があると言っていた。段々分かってきたのは、どうあがいても夜の苦痛からは逃れられないということだった。
 皇帝に抱かれるようになって半年が過ぎた頃、苦痛以外の感覚が芽生え始めた。セシルは大いに戸惑った。自分の体が怖くなった。やがてそれは“気持ちいい”という一種の感覚なのだと知り、先立つ恐怖は取り除かれていった。痛いとか、怖いとか思うより、気持ちいいことに身を任せる方が断然楽なのだと気付き、その頃からは積極的にセックスに興じるようになっていった。
 あれから7年。成長期を迎え、なで肩だった肩は段々と厳つく、すらりと伸びた長い手足は骨ばったものになっていった。皇帝はとうとうセシルの体に飽きてしまった。
 新しいペットは既に手配済みらしく、側近曰わく、緑色の髪をしたセシルに負けず劣らずの可憐な顔立ちをした少女だという。それを聞いた皇帝の視界から、セシルは完全に除外された。
 皇帝に捨てられた哀れなペットは、その後決まって部下達の慰み物になる。もともとペットになるのは最上級の容姿を持った者に限られるため、皇帝のお手つきだろうと、好きな時に好きなように精を注ぐだけの玩具としては十分過ぎる逸材だった。
 セシルもまた、同じようにして部下達の元に連れて行かれた。男達は手錠に繋がれたセシルを見下ろし、下卑た笑みを浮かべている。今回のはどう犯してやろうかと、彼を取り囲んで話し始めた。
 突然、一斉に体を蹴られた。セシルは小さく縮こまり、腕で頭や顔を隠しながら男達の暴力に耐えた。きめ細かな陶器の肌に傷が付くことを嫌った皇帝は、跡が残るような行為を一切しなかった。長い間傷一つなかった肌は、すぐさま痣だらけになっていった。ぐったりした所で一人の男に前髪を持ち上げられ、苦痛に歪んだ顔に唾を吐き出される。男は耳の中に滑った舌を差し入れ、音を立てながら一通り舐めてやり、わざとらしく息を吹きかけるようにして言った。
「お前も可哀想にな。皇帝様ときたら飽きたら即ポイ、後は肉便所コースまっしぐらだ」
 何を言っているのか理解出来ず、セシルはうっすら開いた目で男の顔を見上げた。男は暗く淀んだ顔をしている。周りの男も同じ顔で、セシルをニヤニヤと見下ろしていた。
 着ているものを全て脱がされ、両手に掛けられた手錠だけが体を飾るアクセサリだった。これから何をされるのかを察したセシルは後退りし、無言のまま首を左右に振り動かした。それを見た男達の間にはどっと笑いが起き、一層、目の奥を欲望にぎらつかせた。
「今更そんなしおらしいことされてもなあ。皇帝に散々仕込まれてきたんだろ?」
「まあまあ、たまにはこういう反応も可愛くていいじゃねえか」
「そうそう。中身がただの淫売だろうが、初めぐらいは嫌がってもらわんと興が冷めるってもんだぜ」
 男達はまるで世間話をするかのように笑い混じりに会話しながら、セシルの前ににじり寄った。それぞれが着ていた甲冑を脱ぎ捨てる。一人の男が露出したペニスを前に突き出し、ほら、と顎をしゃくってみせた。
「舐めるんだよ。慣れてンだろ」
 セシルは首を振った。慣れてるのは皇帝のそれであって、この男のじゃない。前髪を引っ張られ、頬に先端をぐりぐりと押し付けられる。生臭い臭いが鼻をつき、あからさまに顔をしかめると男の怒声が飛んできた。
「ふざけんな!お前に選択肢があると思ってんのか?捨てられた分際でお高くとまってんじゃねえ!」
 それでもセシルは頑なに口を閉ざし、顔を背けて男を拒む。痺れを切らした男はナイフを手にし、鋭い刃先を眼前に突きつけた。死の恐怖を感じたセシルはあっさりと口を開いた。生きるコツは兎に角従順になることだと、7年に渡る歳月で学んできた。
 セシルの濡れた舌先が、怒張し、筋だった己のペニスを舐めあげる。あどけない顔をして、そのくせ手慣れた風に淫らに舌を動かすその様を見下ろし、男は恍惚に酔いしれた。こんな上玉を7年も独り占めしやがって――心の中で暴君に毒付いた。たまらず口の中に先端を押し込む。頭を押さえ上下に強く揺さぶってやると、セシルは苦しげに呻いた。
「ん、ふっ、んんっ」
 唾液に混じり、男の先走りがセシルの口端から零れ落ちる。透明のそれは顎を伝い、真っ白のデコルテに一筋の軌跡を描いた。周囲にいた男達は先ほどまで様子を眺めるだけだったが、セシルの艶姿を見て煽られたのか、前をはだけ自らのペニスをしごき始めた。ただ眺めるだけの自慰では飽きたらず、柔らかな銀糸で紡がれた髪の束を持ち上げ、そこに醜い欲望を擦りつけ快感を得ようとする者や、手錠で拘束された両手に自身を挟んで手淫を強要する者もいた。どのような形であれ、毎夜のように自分を抱く皇帝に対して、セシルは愛されているのだと思っていた。しかし今こうして、名前も知らない見ず知らずの男達に玩具のように扱われ、改めて自分は捨てられたのだと実感する。僕はもう、皇帝のペットじゃない――。
 額にペニスを擦り付けられたかと思えば、先の割れ目からは白濁した精液が勢いよく飛び出した。セシルは思わず目を瞑った。続けて頬や髪の毛、口の中にも吐精された。男に言われるまま出されたものを飲み干し、瞼に垂れてきた精液を指で掠め取る。人差し指についたそれをぼんやりと見下ろしていた。
 これから自分はどうなるんだろうと何処か他人事のように考えていると、いつの間にか後ろに回り込んでいた男に両手を捕まれ、頭の後ろで固定された。
「せいぜい、楽しませてくれよ」
 お決まりのような台詞を言い、前から来た男はセシルの両足を抱えあげ、自分の上に向かい合わせに座らせた。それに合わせ、セシルの後ろにいる男が彼の腰を掴んで宙に持ち上げる。前にいる男の張り詰めたペニスの先が、左右に目一杯広げられた臀部の蕾にあてがわれた。先走りで一通り濡らした後、男は自身をセシルの中に強引にめり込ませた。
「あっ、あああっ!」
 セシルの体がびくりと跳ね、弓のように反り返る。男は腰を揺さぶり、自らも下から抽送を繰り返した。後ろの男はセシルの平たんな胸に色付く乳首を弄り始めた。ぷっくり立ち上がったそれを引っ張り、指と指で擦り合わせる。刺激を与えてやるたびに、セシルの口から切なげな吐息が漏れ、首から耳にかけて次第に赤く染まっていった。
「も、やめ……ああっ、んっ、うああっ」
 抱かれることに慣れきった体は、自分の意志とは関係なく快楽を拾ってしまう。男のペニスで内部を擦られる度、甘い誘惑がセシルの体を包み込む。声を抑えることはできなかった。いや、例え可能だったとしても、セシルは羞恥心など持ち合わせてはいなかった。
 やがて男は体位を変えた。セシルを床に押し倒し、両足を自分の肩に乗っけて再び挿入した。程なくすると別の男が顔の上に跨ってきた。勃起したそれを口に押し込み、口腔内を性器に見立てて抽送を始める。打ち付けられる度に袋が顎に当たるのが痛かった。
 2人がセシルを犯している間、周りの男達は好き勝手に胸や腹に吐精していた。先ほど言われた肉便所という言葉の意味が分かった気がした。
 躊躇なく体内に欲を出し切った男はペニスを引き抜き、順番待ちをしていた男に声をかけた。次の男のそれが入った時、逆流した精液が結合部から溢れ出し、臀部を通って床を汚した。男はそれに興奮し、夢中で腰を打ち付けた。比較的新しい時期に王宮に仕え始めたその男は、女とのセックスしか知らなかった。今まで同性などに微塵の興味も沸くまいと思っていたが、連れてこられたセシルを見て息を呑んだ。綺麗だ――唯だ、その言葉しか浮かばなかった。男だとか女だとか、性別の壁を優に超越した存在が目の前にいる。誰からも慈しまれ愛されるべき容姿を以て、肥溜めのような場所で男達の慰み物になるのを待つしかない運命を背負っている――。まるで地に堕ちた天使のようだと、柄にもないことを思ったりもした。
「は、ああ、んんっ、ん、うあっ」
 揺さぶる度に、堕天使の口からは色付いた声が漏れる。男のそれを受け入れることに体が慣れきっているようだ。周りの者は代わる代わるセシルの口や顔、体中に思い思い精液をぶちまけるが、男は殊更ゆっくりと彼の味を堪能することにした。ペニスをぎりぎりまで引き抜き、一気に奥に押し込む。腰を小刻みに揺らしながら中をえぐり、緩急をつけてぐちゃぐちゃに犯してやる。何度か達しそうになったのをぐっと我慢し、より深く、より長く繋がっていたかった。
「おい、早くいけって。後がつかえてんだからよ」
 そう催促され、男は渋々と頷いた。大きく開いたセシルの足の膝裏を押さえつけ、激しい動きで達することに集中した。うう、と低く呻いた男は漸く絶頂を迎え、精液を吐き出した。どくどくと己の欲の塊を注ぎ込み、涙と精液でぐちゃぐちゃになったセシルの顔を見下ろすと、言いようのない征服欲が男を満たした。もっともっと汚してやりたい。もっともっと壊してやりたい。気高く美しく咲き誇る一輪の花を無惨に手折った時のような、残酷で甘美な快感。男は引き抜いたペニスを迷わずセシルの口にぶち込んでやった。
「ほら、掃除するんだよ」
 冷たく言い放ち、そんな自身の台詞にぞくぞくした。
 一体今日だけで何人の男に抱かれたのだろう。何度となく挿入を繰り返され、快感に支配された肉体はすでに麻痺し、もう達することさえ出来ない。それでも、相変わらず男達は交代で自分の中に精液を注ぎ込むことに夢中のようだ。腰を揺さぶられながら、セシルは焦点の合わない瞳で天井を見上げた。いつの間にか日が暮れていたようだ。天窓に映る景色は真っ暗だった。いつも窓のない部屋で過ごしていたから、真っ暗とはいえ外の世界を久しぶりに見た気がする。見つめるうちに、分厚い雲がゆっくり動いているのが分かった。やがて雲が薄くなるにつれて、ぼんやりと淡い光が現れた。
「あれ……って……な、に……?」
「ああん?」
 セシルの呟きに、腰を前後に動かしていた男が反応する。上を見上げ、ぶっと吹き出すように笑いながら、
「月だよ月。ありゃ満月だな。お前そんなことも知らないで育ったのか?可哀想になあ」
 見下すような口調でそう言い、再び律動を開始する。セシルの体をひっくり返し、尻を高く突き上げる体勢を取らせ後ろから突き入れる。肉と肉が擦れ合う音を聞きながら、セシルは男の言葉を反芻した。つき、まんげつ、つき――何故だかは分からないが、懐かしい響きだった。体の奥底に眠る何かが呼び起こされるような気がした。
 セシルの状態を見て、もう抵抗することはないだろうと判断した男達は手錠を外した。自由になった両手を左右に引かれ、ペニスを無理やり握らされる。更に、両脚を持ち上げられ、宙に浮いた格好で後ろから挿入された。
複数の男に支えられることでバランスを保つしかなく、両手でペニスをしごきながら、セシルは目の前に立つ男の胸に顔をうずめた。
「も……や……めて……」
 掠れた声を必死に紡ぐ。しかし男達は聞こえない振りをして、尚更乱暴にセシルを嬲った。再び床に横たえられ、両脚を割り開かれる。結合部は何度となく出された精液が泡立ち、卑猥な水音を立てている。聴覚までも犯されている気分だった。
 ふと、天窓に浮かぶ“まんげつ”が涙に滲んだ視界に入った。先ほど掛かっていた雲は全て流れたようだった。金色の光を浴び、セシルは目を見開いた。内なる何かが今にも爆発しそうだった。小刻みに手先が震える。瞳孔が大きく開く。呼吸が荒く、体中が熱くなった。
「あ……ああ……」
 セシルは低い声で呻いた。快楽からではないその声に、男が怪訝な顔をする。どうした、と顎に手を掛けた瞬間、セシルの目がかっと光った。
――男の体が、壁際まで吹き飛ばされた。
「うわあああああ!」
 セシルが慟哭を上げると、凄まじい衝撃波が部屋中を走り抜けた。男達の体は次々と壁に叩きつけられ、たまたま逃れた何人かはその場で腰を抜かしていた。目の前の光景に、思考がついていかないようだった。
 セシルはふらりと立ち上がった。意識のある男達の横を素通りし、床に落ちた布きれを肩に羽織った。歩を進めるたびにポタポタと足の間から精液が零れ落ち、その不快感から幾度か床に崩れかけたが、何とか壁際までたどり着く。手の平を石造りの壁にかざし、目を閉じると、重厚なそれは一瞬のうちに粉々に崩れ去った。それを見ていた男達は間の抜けた悲鳴を上げた。
 セシルは裸足のまま外に出た。行く宛などなかったから、とりあえず満月のある方向に向かって歩いた。しかし長い間陵辱され続けた肉体は既に疲労の限界だった。セシルはふらりとバランスを崩し、地面に倒れ込んだまま意識を飛ばした。



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